2022/04/01
暖かく、春らしい日が多くなってきましたね?
そんな中新年度もスタートし、おざわどうぶつ病院も新たなスタッフがこの春から一緒に働いてくれています!
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春が来ると狂犬病、フィラリア予防のシーズンだなぁと思われる方も多いと思います。
そもそも狂犬病ってなに?なんのための予防注射?と思われている方もいると思うので、狂犬病の予防接種について少しお話します。
狂犬病ウイルスはヒトを含む全ての哺乳類に感染するウイルスです。狂犬病にかかった動物に咬まれることにより、唾液中のウイルスが体内に侵入、ヒトやその他の動物に感染を起こします。(ヒトからヒトへはうつりません)
感染後発症してしまうとヒトも動物も治療法はありません。致死率ほぼ100%と言われている怖い病気です。実際に2020年にフィリピンで野犬に咬まれた方が、帰国後狂犬病発症し亡くなっています。
日本でも1950年以前には狂犬病が蔓延しており、犬もヒトも死亡していました。そのような状況下で狂犬病予防法が施行され、飼い犬の狂犬病予防接種が義務化、野犬の抑留などにより日本の狂犬病は撲滅されました。
それ以来日本では犬の狂犬病が発生していない清浄国です。それなのになぜワクチンを打たなきゃいけないの??と思われる方もいると思います。
世界を見ても日本以外で狂犬病清浄国となっているのはアイスランド、オーストラリア、ニュージーランド、フィジー諸島、ハワイ、グアム の6地域(2013年)だけです。
いつ海外から狂犬病ウイルスが持ち込まれてもおかしくない状況です。もし日本が狂犬病の予防接種を全くしないようになったとしたら……その中でもし万が一国外から狂犬病ウイルスが入ってきてしまい、日本で蔓延してしまったら……
そうならないためにも清浄国となった今でも、狂犬病の予防接種は飼い主の義務として法律で決まっています。
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狂犬病の予防接種は義務であることも大事ですが、もう1つお伝えしたいことがあります!
予防接種絶対安全!副反応出ない!とは言えないからです。毎年狂犬病予防接種打っていて、今まで大丈夫だったから今年も大丈夫とは言えません。その時の体調だったりで、アレルギー、アナフィラキシーが出てしまう事もあります。
実際2004年~2019年において狂犬病の予防接種後アナフィラキシーは100万頭のうち1.5頭、死亡が100万頭に1頭という割合で起きています。
体調が万全でない時には接種せず、1日様子を見てあげられる午前中に接種することをお勧めします。
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長々と書いてしまいましたが、今後混合ワクチン、フィラリア、ノミダニ予防のことなども書けたらと思うので(更新遅いかもしれないですが)、是非読んでいただけたらと思います!
獣医師酒井